西荻FALLで静々と“SUGAR & SPICE お菓子の器展”が始まり、そして静々と終了しました。
「好き、嫌い、好き、、、来てください、とは言えない、来てください、来て欲しい、でも言えない」花占いのように気持ちはぐるぐるしております。
そこで、自分の気を沈めるためにも「もし、お店にいたらお伝えしたいかも。」という内容を書いてみることにします。このページをご覧くださっている皆さん、少しだけお付き合いいただけましたら幸いです。
猫探しをしているときに、ピンッとくる子がいるように、これは?もしかして?と思う器がございましたら、遠慮なくFALLまでお問い合わせくださいませ。
展示作品は、店主のご好意で「FALLの小部屋」(と勝手に呼んでいます)へお引っ越ししました。店内に入ってすぐ右側の一角に窪んだ場所があるのですが、そこに臆病な猫のように隠れています。完全個室。お一人様歓迎です。お時間に余裕がございましたら、ご無理のない範囲で覗いてみて下さい。(6/11)
=SUGAR & SPICE お菓子の器展=
【ダンディなダンディーケーキを!】
リッチでカレンツいっぱい。スコットランド発の伝統焼き菓子Dundee Cakeに鹿狩りの猟犬ハウンドと洒落者Dandyをひっかけてみました。マカロニスタイルのダンディは、なんともお間抜けで滑稽です。本来俊足の猟犬なのに馬のバイクに乗っているハウンド。ありえない世界は楽しい。
【Prêts?Allez !いざ!お茶と噂話。】
女子が二人、三人と寄り集まれば、お茶やお菓子と共に世間話に花が咲きます。お互いの近況を知らせあったり、持ち物を褒めあったり噂話をしたり。穏やかな雰囲気に包まれることもあれば、鋭い言葉の剣が頬をかすめる時もあります。ジェーン・オースチンの作品の至る所にあらわれる「会話による剣闘」。怖いけど、なぜか元気をもらえる。ビスケットはチョコレート付きじゃなきゃダメなんて、誰が言ったのかしら??私は紅茶に浸すのが好き。
【復活祭の蘇りパン】
グリム童話に登場するヘンゼルとグレーテルのお菓子の家が、パンでできていたと最近になって知りました。パン入れいいなー。お話に登場する「パンの竃」についてこんな言い伝えがあります。竈には祖先の魂が宿っていて、家族に病気や育ちの悪い子がいるとパンスコップ(あのピザ生地を窯に入れるヘラ付きの棒です)に載せて押し混み、子供が窯の中で一度死んで新たに健康な体を授かるのを待っているのだそうです。死と再生を象徴するウロボロスの取手をつけて「甦り」を私も願ってみたくなりました。そして、復活祭の時期に食べられるpane di cena(夕食のパン)というシナモンや胡麻で味付けされたイタリアパンが気になっています!
『A VIST TO WILLIAM BLAKE'S INN(NANCY WILLARD著)』に登場する二匹のドラゴンもパン焼き担当でした。
【パルテノペー、ルコリーノもいかが?】
春のナポリのお菓子パスティエラ・ナポレターナのお供に、ルッコラのお酒はいかが?人魚の甘美な歌声がいつもより長く聞こえてきそうです。猫守り付き。*薄い釉薬がかかっているので、液体セラミックという水漏れ防止剤を使用しています。食器に使っても安全と言うやつです。
注口からの水切れ、なかなか良いです。
【宮廷靴にノグル。命がけの作り話。】
アラビアンナイトや船乗りシンドバッドで知られる千夜一夜物語は、王シャフリヤールの残忍非道な行い(妻になった乙女を次から次へと処刑)を止めさせるため、妻シェヘラザードが命がけで千と一夜物語を語り続けるお話です。毎夜巧みに語られる奇想天外なストーリーに夢中になっても、王のお腹はギュー、グルグルッて鳴っていたはず、、。煌びやかな盆に乗ったお酒や菓子の中には、ノグル(Noql)のようなバラやシナモンで香り付された甘い豆菓子があったかもしれません。
爪先の陶の鈴は、振ると鈍い音で鳴ります。
【いたずらっ子と追っかけっこ。疲れたあなたに蜂蜜酒。】
フランスのことわざに、“Quand le chat n’est pas là, les souris dansent.”(猫がいない時に鼠が踊る)というのがあります。子供(ネズミ)はよく見張っていないと、何をやらかすかわからない。終わりのない見張りに疲れたら、とくとくと蜂蜜酒を一杯。ウィ。*薄い釉薬がかかっているので、液体セラミックという水漏れ防止剤を使用しています。食器に使っても安全と言うやつです。
猫のカップ、自立するのですが甚だ不安定です。グイッと飲み干して倒してください。